不動産投資は宝探し!!プロはこう見る。選球眼を養うための事例集②(空室が多い物件はどうみる??)

実際の物件事例を通して、どのような点に着目して購入する物件を精査するのか、その”視点”について学んでいきましょう。
いずれも、過去、実際に私が売買に関わった物件です(内容を一部改変しています)。それぞれの事例から見るべきポイントやシミュレーションの方法について、疑似体験してみてください。

【事例①】物件B

物件の概要

大阪府摂津市にあるこちらの物件は、駅から徒歩6分。資料での価格は3.8億円となったいますが、実際の販売価格は3.7億円です。3LDKのファミリータイプで総戸数は28戸。そのうち、空室は資料で4戸、実際に現地内覧すると9戸空いている状態でした。

このような物件を見つけたとき、まず考えなければならないのは「なぜこんなに空室があるのだろう」ということです。そこに、物件を購入するためのキーポイントが隠されている可能性があります。

空室の理由

空室がある理由にはいくつかの種類があります。そのうち、不動産投資の対象としてチャンスになりやすいのは、「管理に問題がある」というものです。もし、物件の管理に何らかの問題があるのであれば、そこを改善することで優良物件に変えられるためです。
また、空室が多い物件というのは、物件の価格も低くなりがちです。つまり、安く購入できる可能性があるのです。実際に調べて見ると、空室の原因として、次のような問題があることが判明しました。

  • 管理が行き届いていない(清掃、建物修繕がなされていない)
  • 空室のリフォームが出来ていない(募集がスムーズに行えていない)
  • 営業活動ができていない
  • 募集賃料が近隣より低いにも関わらず、入居者がついていない(斡旋業者に渡す手数料が少ない)

つまり、管理会社に問題があったということです。優良な管理会社であれば、入居者に対して好印象を与えられる管理を行ったり、あるいは入居のための営業活動もきちんと行ったりしてくれます。また、リフォームの提案についても同様です。

その点、この物件は満室を目指せる可能性があるということです。さらに調べてみると、物件そのものの賃貸需要は十分にあり、さらには2路線の利用が可能など、むしろポテンシャルは高いことがわかったのです。
加えて、隣駅では大規模な再開発が行われていました。その波及効果として、賃貸需要の増加や賃料の上昇、物件価格(売却価格)の向上も期待できます。

八木剛

このような要素をふまえて、空室が多いことによる融資やリフォーム代を自己資金で注入するハードルを越えてでも投資できると考えたのです。

空室が多いことがチャンスにもなる

もし、家賃収入できちんとローン返済ができるのであれば、あとは空室の改善によって収益率が高まる可能性があります。事実、需要があることは事前調査で明らかになっていました。

このように、空室がある物件は、「なぜ空室があるのか」について考えること。そして、「この空室をカバーできるような要素があるか」と検討してみることが大切です。空室があるということは、購入価格についても交渉の余地は十分にあります。

空室が多い物件を安く購入し、その後、管理体制を改善するなどによって満室になれば、インカムゲインもキャピタルゲインも稼ぐことが可能となります。その点、「空室が多いから」と敬遠してしまうと、大きなチャンスを逃すことになり兼ねません。
こちらの物件の場合、予想通り、管理体制に問題がありました。端的に言えば、管理がずさんだったのです。たとえば、物件の掃除が行き届いていなかったり、雨が降ると共用部が水浸しになっていたりなど、管理上の不備が散見されました。

そこで、物件を購入した後は、管理会社を変えています。そうすることによって、物件の管理状況を改善することができました。また、賃料条件についても検討し、広告宣伝費もきちんと投資するなど、必要な施策を行っています。
立地条件がそれほど悪くない物件において、空室が目立つということは、管理に問題がある可能性があります。本事例のように、管理体制を改善することによって、物件を安く購入しつつ空室率を改善できる可能性があります。

大切なのは、物件情報を見たときに、そのようなシミュレーションを頭の中でできるようにしておくことです。物件をより良くするイメージができていないと、その物件を購入するべきかがわかりません。経験を積み、選球眼を養うようにしましょう。

本事例から学べること

  • 空室が多いのには理由がある
  • 空室の有無が物件の価値(価格)を決める
  • 管理体制に空室の理由があることも
  • 物件の最終系をイメージしてふくらませるべし

この記事を書いた人

八木 剛

経営コンサルティング会社、分譲マンション管理会社、賃貸マンションディベロッパー、賃貸マンション管理会社、家主業を経て、2015年に不動産投資育成株式会社(現株式会社RIG)を設立。同年、代表取締役に就任。財務諸表から実施するコンサルティングと金融機関との交渉力には定評がある。自身も収益物件を多数所有、管理。
著書:「誰も触れない不動産投資の不都合な真実」「プロが教えるあなたの不動産投資リテラシーを鍛える本」